不妊治療をしていて、痩せてと医師に言われたことはありませんか?
治療と仕事や家事の両立で、忙しいですよね。
精神的にも肉体的にも、疲れているときに痩せろと言われても、モヤモヤした気持ちになると思います。
耳が痛い話題ですが、この記事では下記を解説します。
肥満とは?
肥満の基準はあるのか?自分は肥満なのか?疑問があると思うので詳しく解説します。
体重が過剰なことを肥満といいます。
BMI(ボディマスインデックス)という言葉を聞いたことはありますか?
体重(kg)÷身長(m)の2乗で計算します。BMIの定義に使われる計算方法です。
日本肥満学会によると、下記のような分類になります。
BMIの数値 | 区分 |
18.5未満 | 低体重(痩せすぎ) |
18.5以上25未満 | 普通体重 |
25以上 | 肥満 |
35以上 | 高度肥満 |
なぜ肥満と不妊が関係しているの?
肥満の人、全てが対象になりませんが下記のようなことが考えられます。
・インスリン抵抗症
・多嚢胞性卵巣症候群
順番に説明します。
インスリン抵抗性
インスリンの働き具合が、通常よりも低下している状態です。
インスリン抵抗性があると、インスリンの働き具合が悪くなり、糖が細胞に十分取り込まれなくなります。
そのため、血糖値が下がりにくくなり、血糖値を正常に戻すため多くのインスリンが必要になります。
多嚢胞性卵巣症候群
多嚢胞性卵巣症候群とは、生理周期の乱れや卵巣に卵胞が複数個あることと、男性ホルモンの値が高いこと。3つの条件が揃うと病名がつきます。
卵胞が多すぎると、定期的な排卵が起こりづらくなります。
排卵障害になると、不妊の原因になります。
超音波検査したときに、数珠のように小さな卵胞が10個以上ある状態です。「ネックレスサイン」と呼ばれています。
下記のような人がなりやすいです。
・軽度の肥満
・生理がこない
・生理不順
・希発月経(39日以上90日未満で生理がくることです)
・血中男性ホルモンが高い、またはLH基準値が高い FSH基準値正常
痩せていればいいの?
痩せすぎも、不妊に影響します。
痩せすぎとは、BMI18.5未満の人です。
・無月経
・不妊
・骨粗鬆症
の可能性が高くなります。
例えば、高校生のときに無理なダイエットをして、生理が止まったことや、なかなか来なくなった経験はありませんか?
生理が来ない理由は、思春期で精神的な影響もあると思いますが、体が飢餓状態になると、生きるためにエネルギーを使うので、一時的に生理が止まる可能性があります。
体重を増やせば、元に戻る可能性はありますが、1度痩せてから太ることは、元に戻りたくない気持ちが強くとても怖いと思います。
男性が肥満の場合は不妊と関係ある?
もしかして、男性は関係ないと思っていませんか?
男性の肥満は、ED(勃起障害)になる原因のひとつです。
ED(勃起障害)になると、性交渉が難しいため自然妊娠の可能性が低いです。
仕事や家で、ストレスがあると思います。
疲れたときは、早めに寝ることや軽いストレッチなどをして気分転換をしましょう。
できるだけ適正体重に近づけるためには?
食事管理
・食べ過ぎに気を付ける
・間食を少しずつ減らす
・よく噛んでから飲みこむ
・塩分を控えめにする
・ファストフードを控える
私は、2年で5キロ痩せました。急に食事制限すると、反動で食欲が止まらなくなることがあります。リバウンドする可能性が高いので少しずつ減らしましょう。
睡眠時間を確保する
厚生労働省によると、睡眠時間の目安を6時間以上確保することが推奨されています。
寝不足になると、肥満や高血圧、糖尿病などのリスクを高める可能性があります。
夜勤や早朝勤務など、勤務形態で変動があると思います。
枕や寝具を、体に合うものにして、快眠したいですね。
継続できる運動をする
毎日5キロ走ることや激しい筋トレを継続できるならいいのですが、長続きしないことが多いと思います。
・エスカレーターやエレベーターを使わずに、階段を使う
・スキマ時間に、ラジオ体操をする
・動画サイトで興味のあるストレッチをする
など、続けやすい方法を探しましょう。
まとめ
痩せることは、難しいです。
結果が出ずに心が折れそうな日もあります。
運動習慣がないと継続は難しいので、数ヵ月だけジムに通い習慣化する方法もあります。
友人や家族の協力をしてもらい、食事管理や運動ができる環境を作りましょう。
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